百遊のAndy Yu氏 中国の百遊(BAIYOU)が制作するMMORPG(City of Dream)は,cabal rmt,数々のタイトルが並ぶ「ChinaJoy 2011」会場でも,ひときわグラフィックスの美しさが目を引く作品だ。
最近の,いわゆる「次世代MMORPG」と呼ばれるゲームでは,例えばの「Unreal Engine 3」やの「CryENGINE」のように,実績のあるゲームエンジンをライセンスして制作する場合が多い。
だがこの夢境之城では,百遊が独自開発したものが使われているという。
今回のChinaJoy 2011から新たに設置された,B2Bブースで,百遊のLicensing G.M./Senior V.P.を務めるAndy Yu(以下,Yu)氏にゲームに関する話が聞けたので,ドラクエ10 RMT,紹介しよう。とりあえず,その前に本作のプロモーションムービーを見てほしい。
ムービーでも確認できるが,夢境之城は西洋ファンタジー風の世界が舞台だ。キャラクターのモーションやエフェクトなど,ちょっと気になるところはあるのだが,背景のグラフィックスはかなり見事だ。
独自開発されたというゲームエンジンは「ATGEO」という名前で,夢境之城もこのATGEOが作り出す画面の美しさが最大のウリになっていると,Yu氏は語った。
ともあれ,必要なスペックとしては,2009年頃に発売されていたミッドレンジのPCで十分にプレイできるとのこと。の推奨環境には,CPUとしてPentium DもしくはAMDのデュアルコア以上が挙げられ,メインメモリは2GB以上となっている。
ゲームの内容については,次のとおりだ。まず,プレイヤーキャラクターに特別な種族は用意されておらず,職業ごとに男女の見た目が設定されている。職業としては,公式サイトに「Warrior」(戦士),「Assassin」(刺客),「Magician」(魔法師),「Worship」(祭祀)の4種類が挙げられているが,会場ではそのほか,キャラクター作成画面に弓使いらしきキャラクターも登場しており,Yu氏によれば,やはり5種類とのこと。
ゲームシステムとして「対人戦」や「生産システム」などといった,一般的なMMORPGに見られる要素は盛り込まれており,さらに,中国国内のプレイヤーのさまざまな意見を取り入れていく予定だ。また,各国のパブリッシャと意見の交換を行って,それぞれの地域で必要とされるシステムも取り入れていくという。
対人戦について話を聞いたところ,「背景のグラフィックスが美しいので,気持ちよくPK(Player Killer/Killing)できます」とのこと。意味がちょっと分かりづらいのだが,中国では“PK”という言葉に対人戦(PvP)も含んでいるので,おそらくこちらのことを言いたかったのだろう。対人戦は,レベル10から可能になる。
このほか,本作ではギルドが所有できる土地をかけての,ギルドvs.ギルド(GvG)戦が行え,そのためには,所有権を奪いたい側から「挑戦状」を送り,相手がそれを「受ける」必要があるという。なかなか受けてもらえないのではないかという気がするが,実はギルドにはレベルが設定されており,GvGを行わないとレベルが上がらない仕掛けだ。
ギルドレベルが上がることでメンバーへのいろいろな強化効果が与えられ,また建設できる施設が増えるといったメリットもある。そのため,断り続けるわけにはいかないのだ。
夢境之城は現在,中国でクローズドβテストを行っている段階だが,2011年中には日本でのサービスも行いたいとYu氏は言う。もっとも,パブリッシャはまだ決まっていないとのことで,具体的な話ではないのだが,Yu氏は日本だけでなく,さらに世界各国で本作を発表したいと語っていた。
確かに最近の中国のデベロッパの作品は,技術面で進歩したものが増えてきたように思う。ただ,実際に本作を会場で見た印象を言うと,キャラクターメイキングの自由度など,あともう一歩と感じる部分も少なくはなかった。技術面だけでなく,そういった部分が,これからどのように進んでいくのか,今後も中国デベロッパの動向に注目したい。
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